今から20年ほど前になります。
エヴァンゲリオンが放映された頃に、アニメ雑誌の創刊バブルが起きました。
その頃、僕は編集プロダクションでバイトしていたのですが、なぜかエロ本の出版社がアニメ雑誌を作りたいと言い出しました。
ふむふむ。
雑誌の方向性なんかを考えたのですが、出て来た結論がぶっとんでいましてね。
「エロとアニメを載せれば、両方の読者が取れる」
こうして、AVとアニメのハイブリッド雑誌が人知れず創刊され、人知れず無くなって行きました。
あれは一体、どういう理屈でああなったのかと思っていましたが、どうも理由らしきものを感じたんですよ。
高度成長期後に生まれた世代と、その前や成長期中とでは大きく「モノ」に対する考え方が違うようなのです。
モノが無い時代は、「1つ買ったら、いっぱい付いてくる」事に価値があったんですね。
一番の成功例はラジカセだと思います。
高度成長期後に生まれた世代は逆で、中途半端なものは要らない。
むしろ、省く事にセンスと価値がある。
日本の会社から、使い物にならない中途半端な物が出続けるのは、決済者がラジカセの成功体験を引きずっているからなんだろうなぁ、と思った次第です。